建物構造の強度に深く密接に関係しているものは基本的に、建物プランと敷地の地盤の強度にあります。特に2階、3階建を検討する場合、1階と2階、3階との柱(壁)の位置関係によって強度に大きな影響を与えています。(別途ご案内)地盤については、地耐力検査によって、適切な地盤改良工事(別途ご案内)をおこないます。ここでは木造建築工法における強度を司るポイントをご案内させていただきます。

在来軸組工法は「筋かい」

民家などの伝統的な建物に見られる、柱や梁が基本となるつくり方で、現代の日本における木造住宅に最も広く使われているものです。在来軸組工法の骨組は、柱、梁や筋かいなどの軸組を「線」で構成するのが特徴です。
当社では、創業時1977〜1985年ころまでこの工法を採用してきました。

柱と梁
柱と梁
建物が変形します
建物が変形します
筋かいで建物の変形を抑える
筋かいで建物の変形を抑える

在来軸組工法の骨組ができるまで(イメージ図)

在来軸組工法の骨組ができるまで1 建て方/柱・梁・小屋組
建て方/柱・梁・小屋組
在来軸組工法の骨組ができるまで2 屋根葺き
屋根葺き
在来軸組工法の骨組ができるまで3 筋かい・火打の取り付け
筋かい・火打の取り付け
在来軸組工法の骨組ができるまで4 間柱・根太の取り付け
間柱・根太の取り付け

枠組壁工法は「面材」

枠組壁工法はツーバイフォーと呼ばれ、北米に起源をもち、日本でも近年広く普及しているつくり方です。ツーバイフォーのいわれでもある、2×4インチ(製材後の実寸役4×9㎝)を枠材の基本にします。合板などの面材を張って枠組とし、床、壁、屋根を枠組「面」で構成するのが特徴です。
当社では、1986年よりこの工法を採用してきました。

枠材
枠材
建物が変形します
建物が変形します
面材で建物の変形を抑える
面材で建物の変形を抑える

枠組壁工法の骨組ができるまで(イメージ図)

枠組壁工法の骨組ができるまで1 1階床枠組
1階床枠組
枠組壁工法の骨組ができるまで2 1階壁枠組
1階壁枠組
枠組壁工法の骨組ができるまで3 2階床枠組
2階床枠組
枠組壁工法の骨組ができるまで4 2階壁枠組
2階壁枠組
枠組壁工法の骨組ができるまで5 小屋組
小屋組

在来軸組工法「筋かい+面材」

骨組を在来軸組工法とし、筋交いの他に面材を張って地震力、風圧力の安定性を更に確保する工法を採用してます。 建物にはいろいろな力が加わります。建物そのものの重量、人や家具などの重量、屋根に積もった雪の重量などによる力もありますが、忘れてならないのは、台風などの風(風圧力)や地震(地震力)による力です。

風圧力と地震力は建物を横から水平に押す力と見なすことができます。このとき、建物が大きく損傷したり倒壊しない強固な構造体をご提案しております。

在来軸組工法では、柱や梁で囲まれた部分に斜めの材「筋かい」を入れて、枠組壁工法では、枠組に合板などの「面材」を張って、変形しにくくして建物が大きく損傷したり倒壊したりするのを防ぐ仕組みとしています。

在来軸組工法の要素と、枠組壁工法の要素をあわせ持った工法です。

柱と梁
柱と梁
建物が変形します
建物が変形します
筋かいと面材で建物の変形を抑える
筋かいと面材で建物の変形を抑える

在来軸組工法「筋かい+面材」骨組ができるまで(イメージ図)

在来軸組工法「筋かい+面材」骨組ができるまで1 建て方/柱・梁・小屋組
建て方/柱・梁・小屋組
在来軸組工法「筋かい+面材」骨組ができるまで2 屋根葺き
屋根葺き
在来軸組工法「筋かい+面材」骨組ができるまで3 筋かい・火打の取り付け
筋かい・火打の取り付け
在来軸組工法「筋かい+面材」骨組ができるまで4 間柱・根太の取り付け
間柱・根太の取り付け
在来軸組工法「筋かい+面材」骨組ができるまで5 面材の取り付け
面材の取り付け

構造力のあるプランニング

建物にかかる力のながれは、建物自身の自重に加えて、家具や人、積雪などの重み(上からかかる力)に耐えなくてはいけません。また、地震や風などの横から加わる力もあります。

こうした力は、柱(壁)や梁で受け止められて、上階から下階へと伝えられ、最後に地盤まで流れていきます。このながれがスムーズに伝わっていくような骨組(構造体)にすることが、丈夫で安定した家をつくることにつながります。そのためには、上階と下階の柱(壁)や梁が、規則正しく立体格子状になっていることが大切です。

  1階と2階の間取りを重ね合わせてみて、立体格子状にうまく一致していれば、構造的に安定したよい間取りとなります。

 反対に上階と下階で柱や梁の位置がずれていると構造的に不安定になります。また、建物の外側には、建物全体を支える通し柱が必要になります。通し柱がないと、屋根に大きな力がかかったときに、1階と2階が一体となって重さを支えることができなくなってしまいます。

 実際のプランニングつきましては、こうした構造性を重視し、生活導線、収納力、デザイン、採光、通風も同時並行で検討しご提案をおこないます。

構造力のあるプラン NG例

1階と2階で、柱や壁の位置がずれている個所が多く、建物の外郭出隅に必要な「通し柱」も、3カ所(部分)と少なく欠けています。

構造力のあるプラン 良い例

1階と2階の輪郭や間仕切壁の位置にずれがなく、梁や柱も規則正しく配置されています。

単純なカタチが地震に強い

 安定した家とは、箱型総2階のようなシンプルで単純なつくりです。このようなつくりは、建設費用を抑えることもできます。家のカタチを考えるときは、まず単純な箱型総2階にして、不足部分があれば下屋にして追加します。このようにまとまりのあるカタチは、耐震性に優れるばかりでなく、耐久性の面でも理想的であります。

安定した家の形状を考えるプランニング手順

1 2階の輪郭がベースになります

1, 2回の輪郭ベースを決める

2 屋根型を想定します

2 屋根型を想定

3 2階の輪郭をそのまま1階に下ろします

3 2階の輪郭をそのまま1階に下ろす

4 1階の面積の不足部分は、下屋を足すことで調整します

4 1階の面積の不足部分は、下屋を足すことで調整
参考文献
『誰も教えてくれない家づくりのすべて2016年度版』
[新井 聡 勝見 紀子 著/エクスナレッジ刊]

大切な建物を支えるもの

軟弱地盤に起こる被害

地盤が軟弱だと、地震時に大きな被害を受ける可能性が高くなります。軟弱な地盤は揺れ幅が大きいため、特に木造の建物はこの揺れに共鳴しやすく、さらに大きく揺れる共振現象を起こす危険性があります。

地震時に起こる共振現象

地震時に起こる共振現象

また地盤の固さが一定でないと、建物の重さを均一に支えられず、長い間に不同沈下が起こり、家の傾きや断裂を引き起こすことがあります。このような地盤は、地震の際も複雑な揺れを生じ、被害を拡大する要因になります。

家の傾きを引き起こす不同沈下

家の傾きを引き起こす不同沈下

地盤の改良方法

大切な家を支える地盤は建物以上に大切と言えるかもしれません。そこで着工前に地盤調査をおこない、適切な地盤改良や基礎仕様を提案します。地盤を改良する方法は大きく分けて3つあります。

 1つめは地表から2m程度まで掘削し、セメント系の材料と土を混ぜ合わせて掘削した部分を全面的に固める方法で、表層改良と呼びます。

 2つめは基礎の下に数カ所の穴を掘り、セメント系の材料と土を混ぜ合わせながら太い柱状の杭をつくって、良好な地盤まで建物の重さを伝える方法で、柱状改良と呼びます。

 3つめは基礎梁下に鋼管やコンクリート製の杭を打込む方法です。真下の地盤には期待せず、固い地盤まで深く杭を打つことで建物を支えます。

 地盤改良工事の他、構造力のあるプラン、施工を通じ、末永く安心してお住まいになれる家をご提案しております。お気軽にご相談くださいませ。

軟弱地盤の改良方法

軟弱地盤の改良方法

参考文献
『誰も教えてくれない家づくりのすべて2016年度版』
[新井 聡 勝見 紀子 著/エクスナレッジ刊]